甲子園を沸かせた魂の投球
近江(滋賀)
山田 陽翔(やまだ はると)
投手/175センチ77キロ/右投右打
【こんな選手】
投げても打っても気迫とパワーがみなぎる二刀流の逸材。投球では打者に向かっていく強気の投球が際立つが、3年春のセンバツでは聖光学院を相手に87球で完投するなど、タイミングの外し方や力の入れどころにも成長の跡が見られる。中学時代には日本代表として活躍するだけでなく、テレビ番組の「炎の体育会TV」で天才中学生ピッチャーとして登場し、亀山勉(元阪神)や元木大介(元巨人)と対戦し、お茶の間でも話題となった。
【中学時代】
出身チーム:大津瀬田ボーイズ
主な成績:中学1年時、日本代表としてカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会に出場し優勝。打撃部門で優秀賞。中学3年時には第38回世界少年野球大会の韓国戦でリリーフ登板するなど、優勝に貢献する。
【1年夏】
滋賀県独自大会(優勝):公式戦デビューとなった初戦(2回戦)の光泉カトリック戦では7回から救援登板。自らが適時二塁打を放ち、虎の子の1点を守り抜いた。1年生ながら、守護神としてチームを優勝へと導いた。
【1年秋】
滋賀県大会(準優勝):準決勝の綾羽戦で被安打6、奪三振12の2失点完投勝利をあげるなど、近畿大会出場に貢献する。
近畿大会(1回戦):1回戦の神戸国際大付戦では1番右翼手として先発出場し、6回途中からマウンドへ。4暴投と制球が乱れ、8回に逆転を許し、2-5で敗退。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
神戸国際 交代 3.1 3 6 2 4 3
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
神戸国際 3 0 0 0 0 0 1 0[1・右、投]
【2年春】
滋賀県大会(3回戦):3回戦の立命館守山戦で救援登板も逆転を許し、2-3で惜敗。
【2年夏】
滋賀大会(優勝):4試合に先発し、21回を投げ、奪三振27、自責点0。先輩右腕・岩佐直哉へ繋ぐ必勝リレーで勝ち上がった。打者としても本塁打2、打点9と主砲として強打を見せつけた。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
立命館守山 先発 6 1 8 2 0 0
綾羽 先発 3 1 5 2 0 0
水口東 先発 6 4 8 0 1 0
北大津 先発 6 3 6 0 0 0
【打席】
対戦相手 打 安 本 点 球 犠
立命館守山 2 0 0 0 2 0[4・投、右]
綾羽 4 2 1 6 1 0[4・投、右]
水口東 5 1 0 0 0 0[4・投、右]
八幡商 3 2 1 1 1 0[4・右]
北大津 3 1 0 2 0 1[4・投、右]
虎姫 1 0 0 0 0 0[交代・右]
甲子園(ベスト4):1回戦の日大東北戦では、5回途中に雨が強まり、2時間以上の中断を経て降雨ノーゲームとなり、翌日に仕切り直された。そのノーゲームを含めると、全6試合に先発し、計546球を投げ込んだ。打席では準々決勝の神戸国際大付戦で楠本晴紀からバックスクリーンへ2点本塁打を叩き込むなど、強打を披露した。チームとしては20年ぶりのベスト4進出。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
智辯和歌 先発 6.2 9 3 4 4 4
神戸国際 先発 6.1 3 7 1 2 2
盛岡大付 先発 6 7 10 1 2 2
大阪桐蔭 先発 6 4 7 3 4 4
日大東北 先発 5 4 4 0 2 2
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
智辯和歌 3 1 0 0 0 1 1 0[3・投、右]
神戸国際 4 1 0 0 1 1 1 0[3・投、右、投]
盛岡大付 4 2 0 0 0 1 0 0[3・投、右]
大阪桐蔭 2 0 0 0 0 1 2 1[4・投、右]
日大東北 4 2 1 0 0 1 1 0[4・投、右]
【2年秋】
滋賀県大会(3位):右ヒジ疲労骨折の影響で準々決勝までは野手としても出場せず。準決勝の滋賀学園戦で代打出場すると、3位決定戦の立命館守山戦では、4番右翼手として先発出場し、2回に左越えの満塁本塁打を放ち、近畿大会出場に貢献した。
近畿大会(ベスト8):右ヒジ疲労骨折の影響で投手としては登板せず、県大会に引き続き、野手に専念する。
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
金光大阪 3 1 1 0 0 1 2 0[4・右]
社 4 1 0 0 0 0 1 0[4・右]
【3年春】
甲子園(準優勝):京都国際がコロナの影響で辞退したことにより、近畿補欠1位校として代替出場。センバツ開幕前日に甲子園出場が決まった。それからわずか3日後、初戦の長崎日大戦では大会初のタイブレークとなり、延長13回に自らが決勝の左前適時打を放った。準決勝の浦和学院戦では5回に左足に死球を受け、痛みをこらえながらも11回170球を投げ抜き、4試合連続完投。1週間以内に500球という球数制限に116球に迫ったが、決勝の大阪桐蔭戦も志願の先発。3回途中で降板したが、5試合で594球を投げた魂の投球に惜しみない拍手が送られた。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
大阪桐蔭 先発 2.0 3 1 2 4 3
浦和学院 先発 11 7 10 1 2 2
金光大阪 先発 9 8 10 1 1 1
聖光学院 先発 9 5 2 3 2 2
長崎日大 先発 13 7 10 7 2 2
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
大阪桐蔭 0 0 0 0 0 0 0 0[9・投]
浦和学院 4 0 0 0 0 0 1 0[4・投]
金光大阪 3 1 0 0 0 0 0 1[4・投]
聖光学院 5 1 0 0 0 0 0 0[4・投]
長崎日大 4 1 0 0 0 1 2 0[4・投]
滋賀県大会(優勝):準決勝の綾羽戦で2失点完投勝利をあげるなど優勝に貢献する。
近畿大会(ベスト4):大阪桐蔭戦では6回途中に右足のけいれんで無念の降板。センバツのリベンジはならなかった。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
奈良大付 先発 5.1 1 6 1 0 0
大阪桐蔭 先発 5.1 6 3 1 2 2
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
奈良大付 4 1 1 0 0 0 0 0[4・投、右]
大阪桐蔭 2 0 0 0 0 0 0 0[4・投]
【3年夏】
滋賀大会(優勝):全試合で4番打者として出場。投手としては準々決勝、準決勝、決勝で登板する。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
瀬田工 未登板
甲西 未登板
伊吹 先発 6 1 9 0 0 0
比叡山 交代 7 3 7 0 0 0
立命館守山 先発 9 3 12 4 1 1
【打席】
対戦相手 打 安 本 点 球 犠
瀬田工 5 0 0 0 1 0[4・右]
甲西 2 2 1 6 1 0[4・右]
伊吹 4 0 0 0 0 0[4・投]
比叡山 4 1 0 0 1 0[4・右、投]
立命館守山 3 0 0 0 1 0[4・投]
甲子園(ベスト4):投げては3試合で二ケタ奪三振、打っては海星戦で満塁本塁打。全5試合で4番投手として先発出場。「4番ピッチャー、山田君」のアナウンスにスタンドが湧くほどの熱狂ぶりだった。
【投球】
対戦相手 登板 回数 安 振 球 点 責
鳴門 先発 8 4 13 0 2 1
鶴岡東 先発 9 11 12 3 3 3
海星 先発 7 4 9 2 1 1
高松商 先発 7.1 9 10 7 6 6
下関国際 先発 6.2 7 7 7 5 4
【打席】
対戦相手 打 安 二 三 本 点 球 犠
鳴門 4 2 2 0 0 1 1 0[4・投、右]
鶴岡東 3 1 1 0 0 1 1 0[4・投]
海星 4 1 0 0 1 1 0 0[4・投、右]
高松商 5 2 0 0 0 2 0 0[4・投、右]
下関国際 4 2 1 0 0 1 0 0[4・投、右]
【最速149キロ】
149キロ:3年春の近畿大会準決勝、大阪桐蔭戦で初回に自己最速となる149キロをマークする。
【変化球】
カーブ、スライダー、カットボール、ツーシーム、フォークなど
【高校通算本塁打】
31本塁打:3年夏の甲子園、海星戦で7回に宮原明弥から左越えの満塁本塁打を放ち、高校通算31本塁打とする。
【その他】
50メートル走5秒8、遠投100メートル
